ベンチャー起業と大企業のメリット・デメリットを比較する【どちらも4年ずつ働いた】
就職先を決める際に、「ベンチャー企業と大企業のどっちがいいのか?」と悩む方も多いと思います。
僕は現在29歳で、経歴はこんな感じです。
・大学卒業後に上場企業で4年間働く(従業員1,000人)
・先輩が立ち上げたベンチャー企業に創業1年目から参画し現在は4年目を迎える(従業員8人)
この記事では大企業とベンチャー企業で同じ期間働いた僕が、それぞれのメリットとデメリットについて、実体験をもとに紹介していきます。
先に結論を言ってしまうと、僕はベンチャー企業がオススメで、その理由も含めてご紹介します。
目次
大企業とベンチャー企業の定義
大企業とは
実は社会的に明確な取り決めはありません。
一方で中小企業は定義が決まっており、「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下」という基準です。
この記事では中小企業の定義以上の規模の会社を大企業として捉えていきます。
ベンチャー企業とは
本来は革新的なアイデアや技術をもとにして、新しいサービスやビジネスを展開する企業を意味します。
ただ、一般的には成長過程にある企業として認識している方が多いです。
この記事では創業から浅く、少人数の会社という意味でベンチャー企業という言葉を使わせてもらいます。
ベンチャー企業で働くメリット
ベンチャー企業で働くメリットは、このような感じです。
- 成長スピードが早い
- 給料が上がるスピードが早い
- 自由度が高い
- 経営者との距離が近い
- ビジネス全体を知れる
- 業務の幅が広い
詳しくご紹介します。
ベンチャー企業のメリットは成長しやすい環境
やはりベンチャーで働く一番のメリットは成長しやすい環境だと思います。
大企業と比べてとにかくリソースが足りないため、「できる人がやれる時にやる」というようなスタイルの会社が多いです。
僕も今の会社ではウェブマーケティングのコンサルをメイン業務としていますが、採用の面接、企業理念の考案、福利厚生の整備、財務状況の確認、ITツールの導入、HP作成、情報発信、事務所探しなど会社運営に関わることは一通り携わっています。
また、経営者との距離が近いので、経営者の考えに直接触れることができる点も大きく、将来独立したいという人はベンチャー企業の方がオススメです。
あと、ここだけの話、給料はめっちゃ上がりました!
- 大企業:4年間で約150万円の年収アップ
- ベンチャー企業:4年間で約300万円の年収アップ
今の会社は代表に続いて2人目で入ったということもありますが、大企業の倍のスピードで年収が上がっています。
もしかしたら「大企業でも4年間で150万円上がればいいじゃん」と思うかもしれませんが、これは初年度にボーナスがなく、4年間かけてやっとまともなお給料になったというだけです。。
ベンチャー企業で働くデメリット
ベンチャー企業で働くデメリットはこのような感じです。
- ハードワークの可能性がある
- リソース不足(ヒト・モノ・カネ)
- 業務の幅が広い
- 福利厚生が整っていない
- 教育体制が整っていない
- 失業のリスクが大企業よりも高い
詳しくご紹介します。
ベンチャー企業のデメリットはハードワークの可能性がある
デメリットとしては、ハードワークの可能性があるという点です。
創業期の場合はリソースが本当に足りないので、その分なんでもやることになります。
ベンチャーでも創業から5~10年ほど経過していればある程度仕組み化されてきていると思いますが、創業から3年以内の会社に入る場合は覚悟しておいた方が良いと思います。
逆に言えば、「20代のうちは思い切り仕事に打ち込みたい」という人にはベンチャーはとても向いていると思います。
良い情報としては、僕も3年目まではハードワークでしたが、ある程度仕組み化ができてきた今では月の残業時間は10時間を切っていますので、やりようによっては大企業よりも短い業務時間にすることもできます。
最近はリモートワークのベンチャーも増えてきていますし、きちんと会社を選べば大企業より良い環境で働けたりもします。
大企業で働くメリット
大企業で働くメリットはこのような感じです。
- 仕組み化されている
- リソースが豊富(人・金・物)
- 福利厚生が手厚い
- 社会的信用がある
- 労働規則が整備されている
詳しくご紹介します。
大企業で働くメリット
僕は新卒で大企業に入社しましたが、教育体制は整っていました。
入社時の研修をはじめ、自分が分からないことでも社内の誰かしらは知っているということが多く、分からないことがあれば社内で解決できるという点も魅力でした。
一般的に「大企業=安定」というイメージがあるかと思いますが、たしかに経営基盤はしっかりとしていました。
あとは、僕は営業として入社しましたが、営業手法が確立されている点も大変勉強になりました。
ベンチャーだと営業手法は手探りな会社が多いので、大企業のうちにどのようにお客様にサービスを導入してもらうかという体系的な手法を学べたのはよかったです。
大企業で働くデメリット
デメリットはこのような感じです。
- 年功序列
- 給料が上がるスピードが遅い
- 人間関係が複雑
- 承認フローが煩雑
- 労働規則が厳しい
- 業務の幅が狭い
詳しくご紹介します。
大企業のデメリットは成長スピードが遅い
デメリットは、成長スピードが遅い可能性がある点です。
成長スピードが遅くなる理由は、以下です。
①社内業務が多い
②自分の業務の領域が限られている
大企業で働いていた際に本当にムダだなと思っていた仕事が「社内報告用のレポート作成」です。
上司への数値共有のために、各部署から数値を集めて、体裁にもこだわって週報としてレポートを作成していた時期があったのですが、これはムダでした。
上の人間は数値を把握したいという意味で求めてきていたものですが、今の会社ではテキストベースで箇条書きをして、必要であれば数値部分のスクリーンショットを送るだけで完了です。
他にも、社内のやりとりにメールを使っていちいち「お疲れ様です。」から打ち始めたり、内線電話で作業中に邪魔をされるなど、社内でのやりとりの工数が本当に多かったです。
ふぅ、ちょっと言い過ぎました。笑
少し大企業をディスり過ぎたのでフォローをしておくと、人が多い分、知り合いも増えたというのはとても良かったです。
当時良くして頂いていた上司の方とは今でもたまにご飯に行きますし、仕事で繋がったりもしています。
あとは同期が数十人いて、一緒に苦楽を共にしたメンバーなので今でも仲良しです。色々な人と交流できたのはよかったです。
結局、ベンチャーと大企業のどちらがいいのか?
個人的な結論としては、個人のスキルが磨きやすいベンチャー企業の方が今の時代にはオススメです。
一般論として、たくさん働いて成長したい人はベンチャー、残業が少なく安定して長く働きたい人は大企業みたいなイメージがあると思います。
しかし、僕の会社のように無駄な仕事をなくしていかに生産性を上げるかを考えるベンチャー企業もあれば、無駄な仕事が多く残業が多い大企業もあります。
安定という部分でも、どの会社に行っても通用する力を身につけることが真の安定だと思うので、そういう意味でも大企業は安定というのは間違いだと思います。
最後に元も子もないことを書くと、サイバーエージェントやDeNAのように常に挑戦し続ける大企業もあれば、変化の少ない仕事をコツコツやるベンチャー企業もあったりするので、どの規模の会社に入るというよりは、どんな会社に入るかという目線で会社を選ぶことが重要だったりします。
この記事で言いたかったことは、「大企業=安定、ベンチャー企業=不安定」のように最初から決めつけずに、自分がどのようなスキルを身につけて、どのように生きたいかを考えて会社を選ぶことが重要ですよということです。