【貯金はダメ?】20代男子の僕が資産運用するワケ
僕は今28歳ですが、結婚や将来のことを本気で考える機会が増えています。
そこにつきまとう問題がやはりお金です。
親からは「貯金をしなさい」と言われたりしていましたが、今20代男子に必要なことは貯金ではなく、資産運用です。
この記事では20代が資産運用をするべき理由と、僕が活用している投資方法をご紹介します。
貯金のリスクとメリット
資産運用について考える前に、まずは貯金だけをしていることのリスクを考えていきます。
日本人は貯金が大好きな国民性ですが、日銀が発表した資金循環統計のデータを見るとそれがよくわかります。
項目 | 2017年12月末残高(単位:兆円) | 構成比率 |
金融資産計 | 1,880 | 100% |
預金・現金 | 961 | 51.1% |
債務証券 | 24 | 1.3% |
投資信託 | 109 | 5.8% |
株式等 | 211 | 11.2% |
保険・年金・定型保証 | 520 | 27.7% |
その他 | 55 | 2.9% |
引用:2017年第4四半期の資金循環 (速報)【PDFファイル】
今は投資ブームとも呼べるほど、ネット界隈では盛り上がっていたりしますが、現実は半分以上が現預金で保有されているという状況です。
ただ、貯金にはリスクがあることも把握しておきましょう。
貯金にはインフレや為替変動により実質的な価値が目減りするリスクがあります。
例えば、もしあなたが今、金融資産の100%を銀行預金や現金で保有している場合は、「日本円への集中投資」を行っていると言い換えられます。
その中でインフレ(物価上昇)が発生し、今まで200円で買えていた缶ビールが300円に値上がりしたとします。すると、今まで1,000円で5本買えていたものが、3本しか買えなくなります。
また、円安(ドルなどの諸外国通貨に対して円の価値が低くなること)になった時は、1万円で交換できる外貨が少なくなりますので実質的な価値が減ってしまいます。
これらのリスクを把握した上で貯金するのであればまだ良いですが、日本円は安全だと信じ込み、金融資産のすべてを銀行預金や現金のみで保有することはリスクとなります。
また、日本を代表するメガバンクである三菱UFJ銀行とみずほ銀行はついに金利(預金利回り)が0.00%になりましたから、銀行に預けているだけでは、お金が増える可能性もありません。
貯金のリスク
- インフレが起こると実質的な価値が目減りする
- 銀行に預けていても1円も増えない
現金・預金で保管しておくことのメリットとしては、流動性が高いという点のみでしょう。
緊急時にお金が必要な時に金融資産のすべてを株式で保有していた場合、現金に替えるのにタイムラグが発生しますので、何かあったときのために金融資産の一部は現金預金で保有しておく必要もあるかと思います。
また、震災が発生した時に、現金や通帳が流されてしまった方が大勢いました。
この時にメガバンクは、現地で身元が確認できれば通帳等がなくてもお金を下すことができましたが、そうでない方は現金が手に入らなくて困ってしまったようです。ネットバンクも動きが遅かったようなので、こういった際はメガバンクはやはり頼もしい一面はあります。
ただ、このような不測の事態は滅多に起こることはありませんので、最低限の生活資金を現金預金として保管しておけば良いでしょう。
20代が資産運用を始めるメリット
貯金のリスクを把握したところで、続いては20代が資産運用を行うメリットについて考えてみます。
僕が考える20代で資産運用を行うメリットはこちらです。
- 時間による複利効果の恩恵を受けられる
- 多少の失敗はリカバリーが可能
- 将来のお金について考えるきっかけができる
一つずつ考えてみたいと思います。
時間による複利効果の恩恵を受けられる
最も大きなメリットがこの複利効果です。
「複利」とは、金利の付き方の一つで、発生した利子を元本に組入れて、次の期間はその金額を元本として利子を計算する考え方です。(最初に預けた元本金額に対してのみ利子を計算する方法を「単利」といいます)
考え方としては以下のイメージです。
■単利計算
元本 × 利率 = 利子
1年目の利子:100万円 × 5% = 5万円
2年目の利子:100万円 × 5% = 5万円
3年目の利子:100万円 × 5% = 5万円
元本+利子の合計 → 100万円+15万円=115万円
■複利計算
元本 × 利率 = 利子
1年目の利子:100万円 × 5% = 5万円
2年目の利子:(100万円+5万円) × 5% = 105万円 × 5%= 5万2500円
3年目の利子:(100万円+5万2500円)× 5% = 105万2500円 × 5% = 5万2,625円
元本+利子の合計→ 100万円+5万円+5万2500円+5万2,625円=115万5,125円
この複利効果は時間が経てば経つほど効果を発揮します。
具体的に長期運用した場合のケース
■元本100万円を60歳まで運用した場合の運用開始年齢別の資産
20歳(運用期間40年):100万円→703万円
30歳(運用期間30年):100万円→432万円
40歳(運用期間20年):100万円→265万円
50歳(運用期間10年):100万円→162万円
60歳(運用期間 0年):100万円→100万円
同じ100万円でも、20歳に始めた場合と40歳に始めた場合で438万円もの差がつきます。実際は毎月さらに積み立てる分があるため、もっと大きな金額にすることも可能です。
かの有名な科学者アインシュタインも「複利は人類史上最大の発見」と評しています。
宇宙で一番強い力は何かって?そりゃ金利の複利効果だよ(アルバート・アインシュタイン)
世界の七不思議が何かは知らないけど、八番目の不思議は知ってるよ。金利の複利効果だ(バロン・ロスチャイルド)
引用:書籍「バフェットとソロス 勝利の投資学」
多少の失敗はリカバリーが可能
20代で投資を始めるメリットの2点目は、多少の失敗はリカバリーが可能ということです。
具体的には、投資をする上で考慮する点として、リスクの許容度という言葉があります。投資は貯金と比べてリターンが大きい分、元本が減るリスクも兼ね備えており、原則としてはリスクが大きいほどリターンも大きいです。(仮想通貨が典型例)
この点で、40代で家族がいる方が行う投資と、20代の独身の方が行う投資では、やはり取れるリスクの大きさが違います。
リスクが取りづらい40代であれば、元本が減るリスクが低い金融商品を選択する分、リターンも少ないです。
一方で20代であれば、元本が減るリスクにもある程度耐えることができるため、大きな金額を形成できる可能性が高いです。
将来のお金について考えるきっかけができる
3つ目のメリットは、お金に真剣に向き合うきっかけができるという点です。
僕もお恥ずかしながら、20代前半の頃は毎月お金を残さずきっかりと使い果たしていました。これは自己投資を優先させているという理由もありますが、一番怖いのが自分が何にいくら使っているのかを把握できていなかったという点です。
今はマネーフォワードで管理していますが、当時からもっと管理しておくべきであったと反省しております。
他にもお金に関連することとして当時理解できていなかった点がいくつもあります。。
例えば、
・毎月の給与明細に記載されている住民税や社会保険料
・年末調整を行う理由
・企業型拠出年金に加入するか否か
・ふるさと納税がなぜ税制上有利なのか
といったことが当時は全くわかっていなかったのです。
資産運用を始めるにあたって、自分に関連するお金周りのことを勉強するようになり、これらの当たり前のことを学ぶことができました。
税制などの国のルールは情報強者が最大の恩恵を受けられるようにできているため、知らないということは怖いことです。
20代男子の資産運用方法
僕が資産運用として活用している方法は以下の3つです。
- iDeCo(イデコ):23,000円/月
- 積立NISA(ニーサ):33,333円/月
- 仮想通貨への積立投資:30,000円/月
iDeCo(イデコ):個人型確定拠出年金
iDeCo(イデコ)は2017年にスタートした制度です。掛金を自分自身で金融資産に投資し、運用しながら積み立てる、いわば個人年金のようなものです。通常の会社員であれば月5,000円~23,000円の金額を任意に設定することができます。
iDeCoのメリットは、3つの税制優遇にあります。
- 掛け金が全額所得控除される
- 金融商品の運用益に課税される税金(源泉分離課税20.315%)が非課税となる
- 受取時には「退職所得控除」、「公的年金等控除」が受けられる
①の掛け金の全額所得控除について、少し解説します。
例えば、28歳で年収600万円の方が毎月23,000円の掛け金を積み立てた場合、年間276,000円が所得から控除されます。その結果、所得税と住民税が下がることで年間55,200円の節税ができます。
これを60歳までの32年間行うと約176万円もの節税が可能です。本来は176万円国へ納税しているところをすべて資産運用に回せる点はとても魅力的です。
②の運用益が非課税という点についても、32年間23,000円を年利5%で運用できた場合、約258万円もの節税効果があります。iDeCoの制度を利用しない場合は、年間の利益の20%分を納税しないといけないので、その分投資元本の積み立てが遅くなるということです。
最後に③の「退職所得控除」、「公的年金等控除」についてです。
これは60歳以降に運用した資産を受け取る際にも税金の控除がされる仕組みです。受け取り方法は2つあり、一時金としてまとめて受け取る方法と、年金として分割して受け取る方法があります。
一時金として受け取る場合は、他の退職所得と合算して1,500万円以内であれば非課税となります。年金として受け取る場合は年間70万円までの受け取りであれば非課税となります。
この3つの税制優遇からiDeCoはとてもおすすめの資産運用方法となります。
一方でiDeCoのデメリットは1つだけあります。
それは60歳まで積み立てたお金を受け取ることができないという点です。
そもそもiDeCoが誕生した背景に、国から個人年金を自分で作りましょう(国が払えなくなるかもしれないから)というメッセージがあるため一度始めると原則60歳までは受け取ることができないのです。
そのため、まだ年収が低く生活が苦しい方にはあまりおすすめはできない方法です。年収が低い方はまずは自己投資に回して、自分の能力を高めることをおすすめします。
ある程度の年収があり、安定的な収入が見込める方はぜひ利用することをおすすめします。
積立NISA(ニーサ)
積み立てNISAは2018年1月から始まった新しい制度で、NISAの積み立てバージョンというイメージです。
NISAをご存知ない方はここで改めて知っておきましょう。NISAは2014年の1月にスタートした制度で、年間120万円までの投資であればその投資で発生した利益が非課税になる制度です。
株式や投資信託の運用益に課税される税金は約20%となりますが、これがすべて自分の利益になります。日本国民に投資をもっと活発に行ってもらうために国が用意した制度ですが、NISAは非課税となる期間が5年間のため長期の資産形成には向かないものでした。
そこで新たに誕生した制度が積み立てNISAです。こちらは年間の投資額が40万までであればその運用益が非課税となる制度ですが、NISAの5年間に対してこちらは20年間非課税となります。
NISAと積み立てNISAはどちらか1つを選ぶものですが、個人的には20代の方には積み立てNISAをおすすめします。
年間120万円(月10万円)を投資に回せる余裕のある方であればNISAでも良いですが、合計投資額が積み立てNISAの方が多いので、非課税の金額も積み立てNISAの方が大きくなります。
NISA:120万×5年=600万(合計投資額)
積み立てNISA:40万×20年=800万(合計投資額)
仮想通貨への積立投資
こちらは今さら説明不要なくらい盛り上がっていましたね。
2018年6月時点では一時のブーム時よりもどのコインも値を下げていますが、僕は今でも投資をしています。
値段の変動が激しかった頃は売り買いを頻繁に行うこともしていましたが、これは投資ではなく投機でした。投機を行うには相応の勉強量も必要となり、精神的にも疲弊するため今では毎月Zaifでの積み立てを行い変動に左右されないスタイルに落ち着きました。
僕は最悪0円になってもいいという覚悟でリスクを承知で購入していますが、ブロックチェーンの技術が世の中に広がっていくことは間違いないと考えていますので、短期的な値下がりは無視して淡々と積み立てていこうと思っています。
これは20代の独身でリスクを取れる状況なので行っていますが、あまりリスクが取れない方はiDeCoと積み立てNISAだけでも良いと思います。
20代前半は自己投資すべき
ここまで資産運用を始める理由を述べてきたわけですが、20代前半で給料も低い状況では資産運用はあまりオススメはしません。
お金や社会の勉強として行う分には良いですが、まずは何よりも自己投資を優先すべきです。
僕が20代前半の頃は以下にお金を使っていました。
- 服装(スーツ、靴、時計)
- 旅行
- 読書
- 飲み会
- セミナー代
外見と内面をバランス良く伸ばしていきながら、いろんな人に会い、いろんな場所に行く。
20代のうちは時間もありますので、お金は惜しまず自分の使いたいことに使うことが一番の糧になると思います。
そうすると必然的に収入も増えますので、まずは投資元本を増やすためにも自己投資にお金を使うことをおすすめします。
最もやってはいけないことは何も考えずに貯金をすることだと思います。
「事業を始めるために300万円貯める!」など、明確な目的のある貯金であれば良いですが、「親に言われたから」「周りがみんな貯金しているから」といったように何となく貯金することが正しいと思っている方は、自分が本当に貯金するべきかを一度考えてみましょう。
「人生はお金じゃない」という言葉もありますが、僕は「人生お金だけじゃない」と考えています。
お金が一番大事ではありませんが、生活するため、やりたいことをやるためにお金は必要不可欠なものだと思います。
資本主義の世の中に生まれたことをなげくのではなく、仕組みや制度を理解して暮らしていきましょう。
資産運用の実績
この記事を書いてから2年経ったあとの資産運用の実績をこちらの記事で報告しています。
積立投資の運用成績を公開!約2年でどれだけ増えた?【積立NISA・iDeco・WealthNavi】